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小さな男の子が神様に!?吉川八幡宮総代長の辻󠄀田 明さんに「吉川八幡宮当番祭」についてお話をお伺いました。

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年11月10日更新

 

県下三大祭の一つ、「吉川八幡宮当番祭」は、例年10月1日の「当指し」からはじまり約一カ月に渡り、繁栄と豊穣を願い祭典が執り行われます。

当番祭は吉川地区の南北からそれぞれ選ばれた10歳前後の男児を神に見立てる珍しい祭りとして有名です。

新型コロナウイルスの影響で規模を小さくしての開催ではありますが、総代長を10年務める辻󠄀田さんの今年の「当番祭」への思いをお伺いしました。

 

    

▲ 当番祭のクライマックス「走りくらべ」の様子

 

Q 「吉川八幡宮当番祭」とはどんなお祭りですか?

― 本来は、10月1日から1ヶ月続く江戸後期から始まったお祭りで、戦中戦後も休んだことがありません。コロナ禍も1年だけできなかった年があったのですが、「順延」という言葉を使って中止することはありませんでした。長い歴史を止めてはいけないということで今日まで途切れてないのです。コロナ禍でも「省略」ではなく「省力」という形で基本的な行事は全て行いました。

 

Q 今年はどのようなスケジュールで行われますか?

― 「宵祭り(よいまつり)」が10月21日(土曜日)で、22日(日曜日)が「例大祭」、翌日の23日(月曜日)が「波区芸あげ(はつけあげ) ※」をしていくのが本来の姿なのですが、今年は省力バージョンということで、「宵祭り」はなしにして「波区芸あげ」も22日の「例大祭」と同じ日にすることになりました。

いずれは復活して、賑やかになるような形をとっていく必要があるとは思っていますが、過疎化、少子化が進み難しいとも感じています。以前はこの下の正面の鳥居から吉川小学校のところまで屋台がずっと続いていました。今は家も無くなってしまったので、昔のようなお祭りはできなくなりました。

 

※「波区芸あげ(はつけあげ) 」

波区芸を当番地区の山へ移し、波区芸あげの神事を行う。その後、神社で円座舞の儀が執り行われ、当番様は俗人に戻る儀式のこと。

 

 

Q 子供を神にみたてて行う祭りというのは具体的にどのようなお祭りですか?

― 江戸後期から15歳以下の子供を神にみたてていたそうです。戦時中に1年だけ、21歳の方がならざるを得ない時がありました。子供さんが生まれる機会が少なくなり、そういう年もあったようです。

毎年10月1日に「迎え当(むかえとう)」という神事と「当指し(とうざし)」という神事を行います。

「迎え当」は去年の当番様が正式な衣装をつけて “お守りいただいて1年間当番をさせてもらったおかげで元気で過ごすことができました” というお礼の言葉を述べます。

その後、「当指し」は今年の当番様を「つりくじ」により決めます。その後すぐに神宮が当番様の家を訪れ、お清めが行われます。2日の夜に南北両当番地区の関係者が集まって打ち合わせをするという流れです。

 

 

 

Q 今年のお当番さんは何歳ですか?

― 南が小学校6年生、北が4年生の男の子に決まりました。

 

Q 22日の「例大祭」の見所は何ですか?

― 当番一行が仮屋入り(かりやいり)し、お祝いに地域の方々訪れます。巫女が舞い、獅子舞の奉納が行われ、笛と太鼓の音色で賑やかになります。

おみこしが神社に戻ると、お祭りのクライマックス「走りくらべ」が行われます。例年は大人たちも走っているのですが、コロナ禍では子供だけが走りました。

 

 

Q 辻󠄀田さんにとって「当番祭」の魅力は何ですか?

― 集落の人たちが集うことができ、疎遠になった人たちと対話や会話ができるいい機会になっていることが魅力です。地区を挙げての祭りということですね。吉川地区中がこぞって10月はみんながお祭りのことを考えて、協力しようという体制になっています。保育園から中学校までみんな兄弟のように育つ環境ががあるから、自然とそうなっていきます。

 

 

Q 今年は、どんな「当番祭」になりそうですか?

― 今まで3年間コロナ禍でみんなが疲弊していたから、当番祭を通じて元気になったらいいなあと思っています。今年は、午前中しかないにも関わらず、屋台が他の地域から来てくださることになり、ありがたくとても楽しみです。また、「祭りばやし」や「獅子舞」を21人の子供達が、がんばって練習をしています。月に2回、5月から一生懸命練習しています。そちらも楽しみにしています。

 

 

Q 総代長で一番苦労されたことはなんですか?

― やっぱり、子供が少なくなってきて、当番が決まらなかったという年があります。

2年前は、町外へ出られて倉敷の小学校に通われているお子さんにお願いしました。学校を休ませなければならないので、その小学校の校長先生に祭りのことを理解してもらうために1週間ぐらい通って説明しました。

今後も少子化によりそういうことがあり得そうですが、このお祭りは歴史を止めるわけにはいかないので、続けていきたいと思います。

 

 

Q 最後に辻󠄀田さんが想う吉備中央町吉川の魅力はなんですか?

― 協調性が一番あると思います。旧村の中でも一番だと思っています。お祭りのことに限らず全てのことに協力してもらえることが多いです。他にもマラソン大会などの行事も多く賑わっていて、吉川地区全体がとても仲がいいんですよ。

 

 

〔コメント〕

​辻󠄀田明さんご協力いただきありがとうございました。

少子化やコロナ禍でもなんとかして伝統を守り継いだ辻󠄀田さんの強い想いが伝わってきました。今年の当番様の活躍もとっても楽しみです。

 

 

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